澄んだ海水を汲み上げて、加熱処理を一切せず、天日だけで乾燥して作り出した、うまみたっぷりの天日塩です。
高知県西部、地元でも海の美しさで知られる黒潮町。
そこできれいな海水を汲み上げ、愛情いっぱいに育て上げた「塩」です。
ハウスのなかで南国の力強い天日にさらし、結晶し始めたころに一日に2度やさしく手揉みする、美味海こだわりの丁寧な製法で、粒も細かいしっとりとした塩となります。
海水中の豊富なミネラルが無駄なく取り込まれ、塩本来の旨味が最高に引き立ち、甘みのあるすばらしい出来上がりのお塩です。
大変稀少な完全非加熱の自然海塩です。
おにぎりなど直接塩の旨みを味わえる料理に良く合います。
塩作りのきっかけは、問題意識から。
天日手揉み塩を作る黒潮町の「海工房」
自然塩復活運動の一環として、塩作りをする「生命と塩の会」の立ち上げに関わっていました。
専売公社の許可を受けて、高知ではじめて塩作りを始めたのです。
あわせて、無農薬の野菜を作りながら、引き売りの八百屋もしていました。
ある時期から、取引先の自然食品を取り扱うお店に「アレルギー対応食品」なるものが、どんどん増えてきたことに気づきました。
店主にそのことを尋ねると、「牛肉も豚肉も鶏肉も食べられない子どもたちが増えてきている」と言うのです。
「いったい何が起きているんだ!」と驚きました。
原因は食べ物ではないかといわれていましたが、もしそれが農薬や食品添加物ならば、もっと早い時代から現れても良いはず。
なぜなら、農薬も食品添加物も50年代、私が子どもの頃からあったからです。
「原因は別のところにあるのではないか」と思いました。
●免疫不全症が増加するように。
天日手揉み塩を作る黒潮町の「海工房」
突き動かされるように原因を調べ始めました。
1971年4月に「塩業近代化臨時措置法」という法律が成立し、日本で伝統的に自然塩を作っていた塩田がすべて廃止されたのです。
この結果、工業的に作られた化学塩のみが生産されるようになりました。
高度経済成長の工業化の中、塩田に使っていた土地は工場になりました。
工業用にはコストの高い自然塩でなく、工業的に安く作れる化学塩が必要だったようです。
それから10年ほど経った頃から、アレルギー、アトピー、花粉症などの免疫不全症が年々増加してきました。
いまや新生児のうちの2人に1人が、なんらかのアレルギー性疾患やアトピー性皮膚炎になっているそうです。
日本の塩がミネラルたっぷりの塩田の塩から、ミネラルが0.01%程しか含まれていない「イオン交換樹脂膜製塩法」の化学塩に変わり、その塩だけを10年以上も摂り続けてきたことが原因があるのではないかと疑いました。
●体に必要不可欠なミネラル
当時はミネラルの重要性が一般的に認知されていませんでしたが、今では塩田の塩の中にある成分「ミネラル」の重要性が注目されてます。
ミネラルは、5大栄養素の一つでもあり、厚生労働省によって亜鉛、カリウム、カルシウム、クロム、セレンなど、13元素の総称としても定められています。
これらのミネラルは体内で作り出すことができないので、適度な量を食事などから摂ることが重要です。量が少なすぎても、多すぎてもさまざまな病気の原因となってしまうのです。
●独立し、海工房を設立
2003年に「有限会社 海工房」を設立しました。
粒が細かく、
まろやかな手揉み天日塩。
天日手揉み塩を作る黒潮町の「海工房」
私たちの工房では、独自のこだわりを持って塩作りをしています。
一番の特徴は「手揉み」です。
手揉みをすることで、粒が細かく、まろやかな塩になります。
熟練の職人ひとりひとりに割り当てられた温室ハウスで、責任をもって塩作りを行っています。
塩作りの過程は、毎日、丁寧に撹拌(かくはん)することで、少しずつ塩が結晶化し始めます。
その塩を日に2度、やさしく揉みほぐします。
夏季は約10日、冬季は約4週間かけて、ゆっくり結晶していきます。
採塩の際には、遠心分離機で脱水。ふるいにかけ大粒や不純物を取り除いています。
夏場は塩の出来るスピードも早く、気温の上がる前の早朝から手もみをしています。
たくさんの気遣いが必要。だからこそ、こだわりが深まり、よりおいしいお塩ができます。
●おいしく、体に良い塩を。
私たちが作る塩は、塩分濃度が約90%で、塩以外のミネラルが10%ほど含まれています。
おいしさと、体に良いバランスを考えて作った塩です。
お客さんからは、「この塩を使いはじめたら、他の塩は使えなくなる」という声をいただきます。
毎日使う塩だからこそ、おいしくて、体に良い塩を食べてもらいたいのです。